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今敏監督の死を悼む


今敏監督が亡くなられた。
享年46歳。高齢化社会と呼ばれながら、まだまだ若いはずのアニメ関係者の訃報が次々と届く。
僕は今監督は日本を代表するアニメ監督の、いや、映画監督の一人だと思っている。
彼が残した監督作品は「パーフェクトブルー」「千年女優」「妄想代理人(シリーズ作品)」「東京ゴッドファーザーズ」「パプリカ」のわずか5作。その内、僕が観たのは「パーフェクトブルー」「千年女優」「東京ゴッドファーザーズ」の3作品。「パプリカ」はもう2年も前に買ったDVDをまだ観ていないという有様。
だが、僕は「パーフェクトブルー」「千年女優」「東京ゴッドファーザーズ」の3作品を観ただけで、もう「今敏、最高」と感じたのだった。特に「千年女優」はその秀逸な音楽演出も合わせて、日本邦画界(アニメのみならず)最高傑作の一つに数えている。
そんな今監督が亡くなられた。
僕は茫然としている。
涙こそ流れないが、惜しい方を失ったという気持ちが湧いてくる。
これから、もっと、もっと詩篇のような映像を紡いでくださるものとばかり思っていた。
今監督と細田監督がいれば、まだまだ日本のアニメ界は大丈夫と思っていた。
彼らがアニメの、映画の質を維持してくれていれば、やがてその次の世代の育つものと思っていた。
その、今監督が亡くなられた。
涙は出ない。でも、悲しい。悔しい。
アニメ界はこの損失を理解しているだろうか。邦画界は今敏の名すら、知りもしないであろうが。

「千年女優」は2002年に劇場公開されたという。僕はDVDでしか観ていないが、劇場でこの作品を初見した人がうらやましい。恐らく現を忘れたひと時を楽しめたはずだ。まだ観ていない人も羨ましい。このような傑作をこれから楽しむことができるのだから。
物語は今は老いた女優を記者たちがインタビューするのだが、女優の実人生と映画の虚が交差し、いずれが実でいずれが虚か混沌としながら進んでいく。しかし、そこに難解さはなく、平沢進の天上に響くがごとしの音楽とともに一気に最後の場面まで観終えてしまう。
映画が映画を題材にすることは珍しくなく、これが意外と名作を産むものだが、この映画もまた傑作となった。
女優は生涯をかけて愛する男性を追いかけていくのだが、実人生でも映画の中でも彼女は追い続けていく。気づけば記者たちも映画の中の登場人物になっている。この場面の切り替えが巧みである。
今監督は自身も優れたアニメーターであるが、彼が仕切った画面は実にすばらしかった。
この映画はある点で、映画史上の傑作に数えられる「市民ケーン」に優るとも劣らない見事な物語の集約ぶりを示している。かなうならば、このブログを、この文章を観てくださった方々には両方の映画をぜひとも観ていただきたく思う。失望はしないという自信がある。

千年女優の音楽は平沢進が作曲を務めた。テクノポップを原点とする立ち位置にあり、シンセサイザーによる演奏となっている。その響きはシンセサイザー故に人工的でありながら、人を超えた天上に連なるような響きを実現している。
サウンドトラックに収められたのは全12曲。今監督は平沢の手による音楽に非常に感銘を受け、「千年女優」の着想にも影響を与えたという。
LOTUS-蓮の言葉を鍵にして、物語は疾駆する。1曲目のLotus Gateは微弱音で始まり、混沌の中から音楽が沸き出てくる創生を思わせる作品だ。
2曲目の「千代子のテーマ」は一転して透明な響きの郷愁を感じさせる佳品。「千代子のテーマ」は3度、形を変えて、その都度、魅力的な様子を見せてくれる。
だが、僕が最も劇中で印象に残ったのは10曲目に収められた「Run」である。女優千代子がいくつかの時代を一気に駆け抜けていく時の描写に使われたのだが、その時に感じた躍動感は忘れ難い。
最後に収められている「ロタティオン」は地上から天界に連れ去られるかのような響きに満ち溢れている。

僕にとって、唯一の救いはまだ「パプリカ」「妄想代理人」を観ていないことだ。まだ、今監督の作品に初めて接する喜びが残されている―それだけが救いだ。
今敏監督の早すぎる死を、心から悼みます。
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