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キャンディ・キャンディ 著作権には著作義務を


前回、「キャンディ・キャンディは(主題歌レコードを)100万枚売ろうね」と宣言して、本当に100万枚を売ったという逸話を紹介した。ところが肝心の原作とTVアニメは今、封印状態にあるという。
原因は作画のいがらしゆみこと原作者の水木杏子の著作権を巡る争いである。この封印により読者はもちろんのこと、TVアニメにたずさわった方々にも多大な迷惑をかけている状態だということを、当事者は全く認識していないことだろう。認識していれば、とても封印を続けるなどということはできないはずだ。

ここ数年、いわゆる封印作品にまつわる著作が多数、出版されている。僕もそうした著作でこのことを知った次第だ。この件についてはウィキペディアにも詳細な記述があり、もはや大勢の方の知るところだろう。
僕自身は別にキャンディ・キャンディが封印状態であっても困らない。読者ではなかったので。だが、作品を提供すべき側の金銭を巡るいさかいのせいで、この漫画を愛した読者が作品に接する喜びを奪われていることを非常に腹立たしく思うし、そういうことが許されている現状に腹が立つ。
作家が自分の作品から正当な利益を得るため、著作権が遵守されなければならないのは当然のことだ。しかし、著作権で守られている以上、作家は一度、公にした作品は、市場が要求すればこれを供給する義務があるだろう。つまり、いがらしゆみこにしても水木杏子にしても、内輪での金銭配分について争うより以前に、まだ「キャンディ・キャンディ」を読みたいという読者のために封印などという馬鹿げた状況をやめる必要がある。
一度、公にされ、しかも単行本1200万分も発売した以上、その作品の存在はもはや公共のものであると言うべきではないのか。
別に何らかの尊厳を侵したり、不適切な表現があったわけではない。身内で険悪になり、相手に利益を渡したくないだけのことだ。そんなことは読者には関係がない。
電化製品に例えれば、商品を発売し、しかも全国に広く普及させておきながら、特許をめぐる利益配分でもめて、以後の保証をしなくなったようなものだ。
権利を主張するなら、義務も果たせ。著作権には著作義務も示してほしい。
今の時代、インターネットを使用すれば、少数の読者を対象にしてもある程度の利益を見込める再販が可能となってきている。そんな時代に少なからぬ読書がまだいるであろう作品の再販を停止させて、のうのうとしていることが腹立たしい。
どちらがより正しいか、正しくないかはここでは問わないし、正直、興味もない。だが、彼らが得た利益というのはそもそも読者がもたらしたものだ。読者がいなければ、彼らの今はなかったはずだ。先ず、第一に考えるべきは読者の存在だ。
また、「キャンディ・キャンディ」の成功は原作漫画だけではなく、TVアニメによるところも大きいだろう。これも二人の争いのために実質的に封印状態とは、TVアニメ製作に携わった多くの関係者に対しても失礼・無礼というものだ。
果たして、著作権が切れるまで待てというのだろうか。いったい、いつの時代か。その時にどれだけの読者が残っているというのか。
思うに、このような事態になった場合、当事者が第3者(読者)のことを考えて和解するなどという事態は期待できそうにもない。
僕は、特に内容上の問題もないのに、埋もれたまま放置された作品(別に漫画やアニメを問わない)があり、一定の人々がその再発を希望する場合、著作者はこれを再発しなければならないような「著作義務」を作るべきだと思う。もちろん、様々な事情が想定されるのだが、ある程度の要件(未再発の期間が例えば20年以上、著作権者の行方が不明、この事例のように内輪争いで意見がまとまらない等々)を満たせば、著作権を一時預かりにして再発できるという法律を作ってほしいものだ。
僕が言いたいのは、大勢の読者を得た幸福に対して、読者を幸福にする義務を果たせということだ。それをせずに権利だけ求めるなど、言語道断である。
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キャンディーキャンディーは子供のころ親しみました。
親もキャンディーキャンディー大好きで一緒に観ていました。
もう大昔のことになりますが当時飛ぶ鳥を落とすほどの人気で、
学校でもキャンディーの話題が良く出たし、知らない人は居ないほどでしたね。

現在市場にあまり出回ってないし、
知り合いの若い女の子に到ってはアニメ好きなのにキャンディーキャンディーを知らないという有様
でした。
検索していてここに辿り着いたのですが、封印というのは実に初耳でした。
ここで記事を読んで、wikipediaも見てある程度の詳細など把握しました。
キャンディーキャンディー好きな私としてはとても残念な気持ちになりました。

原作者と絵を描いていたお二人方があって誕生した形の作品なのに、
互い尊重して物事を決めたり行動していなかったのが悔やまれます。

私としては、原作者の水木先生の気持ちは良く解る気がします。
自分が同じ状況になったら、きっと釈然としない気持ちになったり寂しいと思うので。
そして、いがらし先生の一方的なやり方はすこし酷いし意地悪だなと感じました。 
本当はいがらし先生が水木先生と仲良く話しをして二人で作品に関する商用を薦めていくべきだったのではないかな?と思うのです。
絵はいがらし先生だとしても、いがらし先生が自分のものだと思ってるキャンディー絵を観る人々は、
その絵の中に水木先生のキャンディーという一人の人格(キャラ)を見ているわけで、
切り離せないものだと思うのです。
キャンディーを知らない人がキャンディー絵を観たら可愛いと思うだけで、キャンディーと認識しないわけですから。
それに100歩譲って権利の所在があいまいだったとしても、
片方に権利がないと主張してみたり、自分の権利ばかり主張したり、
片方に黙ってこっそり勝手に展開するというのは道理としておかしいと思うのです。
そこはお互い尊重しあって仲良く話し合って決めれば、利益だって出るし、建設的に話が進むはずなのです。

憶測ですが、ひょっとすると利益目的または何か別の目的でいがらし先生に何か吹き込んで
影で焚きつけた人物なり企業団体が居るのではないか?と邪推してしまいまいます。


結果、ファンにしわ寄せが来て、作品が忘れ去られてき、当のおふた方も利益を得られず、
それどころか嫌な気持ちを背負うことになったわけですから、
お二方がそれを望んだとは到底思えません。
ひとまず、おふた方が手を取り合ってお互い尊重しあうことと、作品がファンに支えられている、
という謙虚な気持ちと当たり前の基本を思い出していただきたいですね。
  • 2013-02-27 16:28
  • さくら
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