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救世主を讃える 東北の方々を讃える - Period

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思うことは皆、同じなのだろう。
考え方が画一すぎる、とされるかもしれない日本人。だが、大災害時に遭遇した時に、少なくとも考えることが「皆でこの危機を乗り越えよう」という想いであることに、救われる。

高校生の頃、まだ生きていた親父が文春などの週刊誌を読むのを、「保守的すぎる」と僕は嫌った。だが、親父が60代で早々とこの世を去り、40代のおっさんになった僕は、やっぱり週刊誌を読んでいた。
その中で、今週の週刊ポストは、包み隠しのない、人としての率直な気持ちを伝えようとしていた。おっさんになった僕は、編集部のおっさんたちの気持ちに共感した。彼らは、たぶん、商売を抜きにした気持ちをぶつけていたのだと信じる。
週刊誌なんて、若い人はたぶん読まないと思う。おっさん向け週刊誌の発行部数は減少の一途をたどっている。だが、今回のような号をみると、週刊誌も捨てたものではないと思えてくる。
週刊ポストはふだんはやや猥雑な要素を含む、つまりエロ系記事もけっこう載せる雑誌だ。だが、この号はガチンコで「俺たち、がんばらなきゃ、応援しなきゃ!!」という言葉で埋め尽くされていた。
原発事故の恐怖は首都圏の編集部も襲っていただろう。だが、その恐怖を克服し、この一冊をまとめあげた編集部に拍手を贈りたい。

週刊ポストHP

支援物資は、ガソリン、燃料を含めてようやく被災地に届こうとしている。だが、福島県いわき市の孤立は解消されたのか、僕がみた今日の報道の範囲でははっきりしない。
原発は1から2号機への送電が回復し、安定した冷却が可能になるかもしれないという見通しがたってきた。だが、瓦解した3号機の冷却は依然として行わねばならず、放射線放出が減ってきているとは言え、現場の東電関係者、放水作業に関わる消防庁の方々の、我々国民の不安が解消されたわけでは、絶対にない。

自衛隊、機動隊、消防庁。日本の国防、治安、救助に関わる全ての分野の方々に、危険な作業を求め、救われている我々。

誰もが知っている諺に「喉元過ぎれば熱さを忘れる」というものがある。
原発の安定化にようやく希望の光が見えてきた途端、我々は熱さを忘れはしないか、心配になる。
どれだけの辛い気持ちで、原発事故の悪化を阻止する作業を現場の方々が行っていたか。それを、今、この時点から、僕は忘れないようにしたい。
ネットはいろんな言葉を運んでくる。感謝の言葉も、傲慢な言葉も。
僕は、今も最悪の事態を防ぐために心身を酷使し、作業を続けておられる方々に、心より御礼を申し上げる。感謝の気持ちを申し上げる。

「機動戦士ガンダム」のTVシリーズ第23話で、過労で体調を崩し、発熱したブライト・ノアがつぶやく場面がある。劇場版には収録されなかった台詞だが、僕の脳裏にはずっと刻まれている。
特攻で戦死したリュウ・ホセイ、彼は若いながらも穏やかで、しかし必要な時には他者を叱咤激励できるだけの人間的度量の大きい人物だった、その彼のことを思い出してこう語る。
「リュウ、お前のやり方(特攻)は利口じゃなかったかもしれん。だが、何をやったかで人間の値打ちは決まる。だからだよ、お前は強い」
手元の台本記録全集を読みながら、でも、この通りじゃなかったと思うので少し変えながら再録した。

何をやったかで人間の値打ちは決まる。

この言葉は、ずっと僕の価値基準の根っこに突き刺さっている。
その通りだ。「公」のため、「私」を捨てて成した行いに、僕は深く感謝し、讃えずにはいられない。そして、無事に帰還されたことを喜び、彼らの健康が守られんことを切に願う。
「日本の救世主となってください」と佐藤康雄消防司監に伝えた奥様の言葉を、気持ちを、僕はこれからもずっと忘れない。
もしかすると、無事、原発の制御が回復し、被曝の恐怖が克服された時には、「ちょっと大袈裟に騒ぎ過ぎたね」という意見が出るかもしれない。
そんなことはない。未曾有の危機だった。それを、原始的な方法で対処することを余儀なくされ、その実行を命令され、拒否することなく、遂行した方々の勇気と努力。泣きたい想いを抑えて励ましたご家族の気高さ。
まかり間違えば特攻礼賛だと意見する人もいるかもしれない。
他により安全な対処法があったのなら、もちろん、そうするべきだ。他にもっともっと安全な方法があったのに、それに気付かず、あるいは知っていてもできなかったというのなら、それは許されない愚行だ。
だが、この一連の放水作戦は、追い詰められた政府が、日本人が、現場の方々に頼み込んだある意味、究極の人海戦術だった。全国民が土下座して礼を尽くしてもよいくらいだ。

冨岡豊彦統括隊長の涙の重さは、僕くらいの年齢になると強く実感される。
隊員の中には20代、30代の方も含まれるだろう。このような作戦に抜擢(厳命されるというべきか)されるのだから、優秀な方々だろう。そんな方々を、彼らの未来を削るかもしれない作戦に投入しなければならない。ご家族も含めた若者たちの将来の不安を、指揮官である方々はお持ちになったことだろう。彼らの未来に何かが起こったら、どうやって償えばよいのか。
逃げ出さず、拒否せず、任務を遂行した、責任感ある指令者だからこそ、作戦に参加した隊員の方々たちの未来まで見据えて、思い、危惧するところがあったことだろう。
「取り合えず、作戦はうまくいった。でも、これからの何十年、若者たちが幸せに過ごせるのか」
隊長の胸裏にそんな思いもよぎったのではないか。
僕たちは救われている。尊い人の思いで救われている。
そういう人が、まだいること。だから、日本人は負けない。それを誇りに思う。

「鋼の錬金術師」も主題歌の1曲である「Period」を贈りたい。歌うのはCHEMISTRY。作詞:川畑要、作曲:Jonas Myrin, Peter Kvint, 江上浩太郎、編曲:坂垣祐介の布陣。

終わりなき旅の途中 立ち止りそうな時
深いため息こぼす 僕らは
掴みかけては また 離れていった
でも今はもう 何も恐れるものはない
心を繋ぐ 強い絆は
けして解けはしないさ
探し続けて 辿り着いた
この場所でPeriodに

愛に満ちたぬくもり 体中駆け巡る
ニ度と消えることない 記憶が
必ず約束果たして 君を連れてゆくよ
溢れる(夢を)願い(抱いて)すべて歌にのせて
現実から 目を逸らさずに
立ち向かう勇気を
悲しみ怒り 勇気に変えて
運命はすぐ そばに

向かう先は ほら
煌めく世界

僕を震わす この歓声を
裏切ることはしないさ
共に生きてく 未来のために
この場所でPeriodに

真実は指先に

アニメシリーズの終盤。国全体にしかけられた罠に主人公たちが身を呈して立ち向かっていく。その決意を歌ったものだろうか。
ゆっくりとした調子、一語々々を刻むように歌われる歌詞。

現実から 目を逸らさずに
立ち向かう勇気を
悲しみ怒り 勇気に変えて
運命はすぐ そばに

そう、現実から目を背けてはいけない。どんな状況となっても、その中で最善の道を探す努力を続けること、あきらめないこと。それが、僕たちに求められている。
もちろん、結果良ければそれでいいではなく、もっとよりよい方法がなかったかの検証は絶対に必要だ。未来への教訓とするためにも。





今日、報道された方々に、僕は敬意を覚えた。
トランペットの音色で、皆の悲しさを引き出し、癒しをもたらした人。
津波でさらわれ、土砂だらけになった土地に、一緒に流された球根が芽吹き、いつか一面の花が咲いたらと語る人。
一人でも多くの人がお湯につかれるようにと、自分の欲を殺して早く風呂場から出てくる人。
東北の人は強いなあと、僕は感歎した。
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