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紅白とアニメのお話

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さて。
去年からの宿題であるMIOについては次回に触れるとして、今回はNHKの紅白歌合戦のお話。
昨年の大晦日も紅白を見て過ごした。その後はジャニーズの東京ドーム公演(※1をみて、お祭り気分で年を越す。それが僕のここ数年の大晦日の過ごし方だ。

最近では水樹奈々がアニメ歌手として3年連続の紅白出場を果たすなど、限定的だが紅白でアニメソングが流れることも一見、当たり前のようになりつつある。
だが、僕はある思いを持っている。
往年のアニメ歌手を、特別枠でよいから参加させてほしい。
水木一郎、堀江美都子、ささきいさお。かおりくみこ・・・70年代から80年代のアニソンを牽引した彼ら、彼女らに檜舞台を踏ませたい。
僕のちょっとした切なる思いだ。

ウィキペディアによると、紅白歌合戦は元々は「正月の」特別番組として昭和26年に始まったという。もちろん、テレビが普及する以前のことだから、当初はラジオ番組だったそうだ。
昭和28年の正月の第3回目からテレビ放送も始まり、その次の第4回は諸事情により、同じ昭和28年の大晦日に開催にされ、以後、大晦日で定着したのだという。
僕が子供の頃の昭和40~50年代は、歌謡曲も全盛期を迎えていた。歌手も作詞家も作曲家も、役者が大勢そろっていた時代だ。そんな時代の紅白は、それなりに敷居が高かったことだろう。不世出の歌手、美空ひばりでさえ。弟が暴力団関係者であったことを理由に、紅白から干された時期があったほどだ。
他方、くそ餓鬼の頃からアニメや特撮番組しか興味のなかった僕は、歌謡番組をみない子供だった。全盛を誇っていた「8時だよ、全員集合!」よりも、裏番組の「人造人間キカイダー」や「デビルマン」が見たい子供だった。(※2もっとも、チャンネルの選択権がなかったので、そうは簡単に見ることはできなかったが。
しかし、大晦日ともなると夜には子供番組はほとんどなかったし、母親がおせち料理を作る横で家族で紅白をみていることがほとんどだったと思う。
かつては出場者によるかくし芸が披露されたり、芸能人でさえ通常では着ないような場違いなほどのド派手な衣装をきて登場する歌手もいて、「紅白に出たからはりきってんだね」と家族が感想を洩らしたりしていた。紅白とはそういう、歌手にとって特別な舞台なのだと、子供ながらに認識したわけだ。
一人暮らしを始めてからは、紅白から遠ざかった僕だが、家庭を持つと、また紅白に戻ってきた。
一時は視聴率も低迷し、「紅白をやめて、報道番組に変えよう」なんて動きがあったとの噂も耳にしたことがあった。だが、紅白はしぶとく勢いを盛り返し、年末の風物詩として生き残っているだけでなく、また人気が上がってきているようだ。紅白で歌われることによって、過去の歌の人気が盛り返すなどの影響力も復活している。

さて、そんな紅白だが、昔から何度も腑に落ちないことがあった。
どうして今年の紅白で子門真人が「およげたいやきくん」を歌わないの?
どうして今年の紅白でささきいさおが「宇宙戦艦ヤマト」を歌わないの?
どうして今年の紅白でゴダイゴが「ビューティフルネーム」ではなくて「銀河鉄道999」を歌わないの?
・・・もしかして、アニメっていうだけで差別されてる? 
紅白に出る資格がないって決めつけられてる?
子供向けだから?
アニメってだけで、幼稚って決めつけてる?

と、まあ、上記のような恨みつらみを抱えたものだった。
今も抱えているけど、年もとって、半ばあきらめの境地になってはいる。
確かに、繰り返すが昭和40~50年代は歌謡界全盛の時代であり、歌謡曲歌手でさえ、紅白への道が険しかったのは確かだ。当時のオリコンチャート(オリコンリサーチ会社による音楽商品売り上げ順位表)を眺めても、錚々たる歌が並んでいる。これらを押しのけて、アニメや特撮ソングが紅白に出ることは、通常、無理なのはさすがに理解している。
だが、「およげたいやきくん」は昭和50年(1975年)でEPレコード最高の売り上げ枚数を獲得した作品で、当時、老若男女、知らないものがいないほど有名な歌だった。
「宇宙戦艦ヤマト」にしても、昭和52年(1977年)の映画公開時の社会的反響は相当大きかったし、アニメ愛好家だけではなく、街中でもどこででも流れていた。十分に紅白に出る資格のある歌だった。
「銀河鉄道999」にしても1979年の邦画部門で最高の興行収入(16億5千万円)を獲得しており、その主題歌も他の歌謡曲の中でも群を抜いて親しまれたはず。歌っているのが当時、人気絶頂のゴダイゴなのだから、これも紅白の舞台にあがる資格があったはずだ。実際、ゴダイゴは紅白の舞台にあがったというのに、歌ったのは「ビューティフルネーム」。ちょっと1979年の流れとして、それは違うぞと言いたい。
何がいけなかったというのか、何が足らなかったというのか?

そもそも紅白の出場資格は相当に曖昧だ。
一応は、その年の日本を代表する歌、国民に広く親しまれている歌手が居並ぶべきNHKの紅白歌合戦だが、「大人の事情」とやらがけっこう幅を利かせている。
公式にはNHKは認めていないそうだが、有力な音楽事務所に一定の枠数が振り分けられているそうだ。だからか、毎年、知名度や実績がとうてい、紅白にそぐわないように思われる歌手が数組は紛れ込んでいて、「事務所の後押しではいったのかな」と思わせるのだ。
いくら芸能界に疎い僕とはいえ、大人になってからはある程度、認知された歌は知るようになったし、僕よりも世間知のある妻からそれなりに情報も得ている。だから紅白の出場者を見ても、「他にも、もっと売れた(有名な)歌手がいるのに、何故この人選??」という疑問が毎年、出てくる。
そんな大人の事情の合間をぬって、アニメ枠とでもいうのか、水樹奈々のようにアニメ関連の歌も1曲程度は毎年、舞台にあがるようになった。だが、数多ある歌を「アニメ枠」という制限の中に押し込め、1曲しか選ばれないという現状も、決してありがたいものではない。
そのような流れの中、水木一郎や堀江美都子の歌声を紅白で聞きたいという思いを持つ者は、僕のような昭40年代前後に生まれた人には多いんじゃないだろうか。
紅白で「マジンガーZ」を、「キャンディ・キャンディ」を、「宇宙戦艦ヤマト」を聞きたいという人は、決して少なくないと思う。そういう「民意」はどこにも反映されないが。

1975年、「ひらけポンキッキ!」(※3で放送された「およげたいやきくん」について触れておこう。作詞:高田ひろお、作編曲:佐瀬寿一、歌唱:子門x正人の布陣だった。
当時、空前のブームになり、シングルレコードの売り上げは日本記録を塗り替えた。

毎日 毎日 ぼくらは鉄板の 上で焼かれて 嫌になっちゃうよ
ある朝 僕は店のおじさんと 喧嘩して 海に逃げ込んだのさ
初めて泳いだ海の底 とっても気持ちがいいもんだ
おなかのあんこが重いけど 海は広いぜ 心が弾む
桃色サンゴが手を振って 僕の泳ぎを眺めていたよ

今でもソラで歌詞が歌えるほど、僕もなじんだ歌だった。子供だけでなく、「毎日、会社で同じような仕事をしている」会社員層にも、自分の心情を代弁するかのように受け止められて、その年、本当に広く国民に親しまれた歌だった。
だが。
これほどのヒット曲でありながら、この歌が紅白で流れたという記録はない。
「童謡」として扱われ、紅白の舞台に上がる資格はないとされたらしい。童謡と紅白の関係についてはウィキペディアの記載を参考にするといいだろう。
紅白歌合戦の記事
諸事情はあったとはいえ、当時の社会は、NHKは、童謡である、ただそれだけでこの歌を紅白から排除した。今さらだが、腹立たしい思いだ。本当に、昔はそんなことが多かったものだ。
かつてのアニソンも童謡としてみなされ、それがために紅白からは排除された。レコード会社にしてみれば、童謡とみなされると税制上優遇され、商品の単価も低めにできたし、会社への課税も軽減されたらしい。だが、それと歌への評価は別だと思うのが普通なのだが、当時の大人たちはそうは判断しなかった。
今、アニメ・特撮ソングになじんだ僕たちの世代が大人になった今、改めて紅白の舞台に、僕らに夢を与えてくれた歌手たちをあげさせてあげたい。
「宇宙戦艦ヤマト」が空前の商業的成功をおさめ、ささきいさおの歌声が全国津々浦々に流れた1977年でも、彼が紅白の舞台にたつことはなかった。あれから早35年。彼も今年で70歳。古希の祝いに紅白にあげられないものだろうか。ある程度、声に衰えたあったとしてもかまわない。特別枠でいい。僕ら昭和40年代、アニメ・特撮世代のお願いを聞いてくれたっていいだろう?
水木一郎はNHKのBS番組にも時々出ているし、彼のこれまでの業績は下手な歌謡曲歌手を遥かに上回ると思う。彼には3分間、メドレーで歌わせてあげたい。
堀江美都子には「キャンディキャンディ」を歌わせてあげたいのだが、原作者たちの愚かで醜い争いのために実現が難しいかもしれない。それなら、百歩譲って「花の子ルンルン」でどうだろうか。個人的には「ボルテスV」の方が盛り上がるのだが、これは二重唱なので、堀江の一人舞台でなくなってしまう。
更に言えば、故ヒデ夕樹の「海のトリトン」「夢の舟乗り」も誰かが代わりに歌い上げることはできないものか。確かに大麻所有の事件を起こしたという汚点はあったものの、この名曲を(しかも「夢の舟乗り」はNHKアニメの主題歌なのだ)見過ごしてほしくないし、供養も許されないような罪を犯した人でもない。
もちろん、串田アキラも忘れてほしくない。「宇宙刑事ギャバン」が銀幕で復活した今年、海外でも(特撮愛好家限定にしろ)人気が高く、日本の好感度を高めている功労者なのだから、紅白にあがる資格はもう十分にある。
かおりくみこは「若草のシャルロット」が第一候補か?
前川陽子はズバリ「キューティーハニー」・・・と行きたいのだが、倖田來未とどうしても比較されてしまうので、本家でありながら年齢的に不利になってしまうのが悔しい。そこをあえて勝負にいくか、やはり実を取るかだ。実を取るなら、「リボンの騎士」を推したい。
妄想を広げれば、彼らが10分くらいの紅白を占拠して、次々と持ち歌を歌っていく場面を、この数年内に見てみたいものだ。
もう、それをしてもいい時代じゃないのか?

※1)確かにジャニーズ事務所の興隆によって、テレビドラマの性質は変容している弊害はあるにしても、こうしたお祭りでの華やかさは理屈抜きで楽しい。僕としてはTOKIOの長瀬智也や松岡昌弘のような眼力のある人材には、もっと幅の広い役柄に挑戦させてほしい。彼らは名優になれる素材だろう。また「SP」におけるV6の岡田准一ももっと出てきてほしい。
※2)キカイダーとデビルマンに始まった、土曜夜8時の特撮・アニメ枠が、「8時だよ!」に対抗して製作された経緯は有名だろう。
※3)ちなみに「ポンキッキ」の番組演出を担当した野田宏一郎はSF翻訳家、作家の野田昌弘としてその筋の愛好家には広く知られた存在であった。彼はTV界での活動のみならず、エドモント・ハミルトンの「キャプテン・ヒューチャー」「スター・ウルフ」、スタジオぬえの加藤直之が挿絵を描いたA.B.チャンドラーの一連の「銀河辺境物語」の翻訳、銀河乞食軍団物語の執筆、そして50年代の米国SF雑誌の収集とその紹介など、非常に多岐にわたる活動をされた方だ。残念ながら、既に幽明境を異にされている。彼がSFマガジンに紹介したSF雑誌の挿絵紹介の記事を懐かしく思い出す。


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