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「エリア88」の音楽を巡って~聖母の歌「悲しみのDESTINY」

↓1985年発売のサントラCD
「エリア88」サントラCD1
「エリア88」サントラCD KING RECORD 1985 KICA2113
ついでと言っては失礼だが、「エリア88」作曲者の新田一郎についてももう少し触れておこう。
新田一郎は前回でも触れたように、ブラス・ロックバンド「スペクトラム」を結成し、その解散後も様々な劇伴作曲や音楽製作活動を行った人だ。
特にスペクトラム時代の遺産は、今に到るも大勢の人が愛してやまないようだ。
ウィキペディア:新田一郎
ウィキペディア:スペクトラム
SPECTRUM &新田一郎 Fun Web
スペクトラムファンがつくるHP

上述のHPは、「新田一郎 スペクトラム」でgoogle検索すれば上位に提示される。
また、実際の音楽も(本来は著作権違法だが)You tubeで実に生きのいい曲を耳にすることができる。
スペクトラムの活動期間は1979年(※1から1981年までのわずか2年間。この期間に7枚のEP、6枚のアルバムを発表している。
僕はYou tubeで「STREET PLAYER」を聴いたが、軽やかかつ艶やかな1曲だ。ブラスの響きが輝かしい。正にネオン輝く大都市の高速を疾駆するような爽快さに満ちている。
You tube 「STREET PLAYER」
また、往年の名プロレスラーであるスタン・ハンセン(※2の入場曲「SUNRISE」であるが、それがスペクトラムの曲であることを今さらだが、この稿を書くにあたって初めて知った。
「SUNRISE」原曲
スタン・ハンセン入場曲
他にもスペクトラムの曲を聴いたが、今も色あせない都会的な色彩感にあふれた曲が並んでいる。印象としては摩天楼の灯が実によく似合う、洒落た響きだ。
ただし、どうしても今の時代からこれらの曲を眺めると、日本が元気で伸び盛りだった頃、国家が青春期から充実した壮年期へ向かう、快活だが落ち着きもまといつつあった時代・・・そうした想いが重なってしまって、僕は妙に切なくなる。


とはいえ、新田はスペクトラム解散後も、多くの歌手に歌を提供し、またけっこうアニメ関係の作曲もしている。
更に、主役にアイドルを起用したとはいえ、ほとんど東映特撮といってよい「スケバン刑事」の劇伴も担当している。
他にも、ウィキペディアによると下記のようなアニメ・特撮関連の作品がある。

ななこSOS
ダロス:難波弘之との共作、演奏:ホーン・スペクトラム
電脳警察サイバーコップ
エリア88
ザ・超女
バリバリ伝説
八神くんの家庭の事情:米光亮、工藤隆との共作
パタリロ!オリジナルアルバム(イメージアルバム)
八神くんの家庭の事情(イメージアルバム)
JOKER音楽&ドラマCD(イメージアルバム)

上記の作品中、アニメ史上で重要なのは、世界初のオリジナルビデオアニメ「ダロス」だろう。監督はあの押井守。
他の作品でも僕ら40歳代前後くらいには懐かしいものが並んでいる。ビデオ合成特撮番組の草分けだったサイバーコップ、佳作だった「ザ・超女」など、僕からみれば、「そうだったんだ!!」という作品が並んでいる。

↑中古のみ

そうした新田一郎が「エリア88」に残した曲は、スペクトラムとは打って変って、実に重々しく、鉈を振り下ろしてくるような重厚感に溢れるものだった。
残念ながら、今、新田による「エリア88」の劇伴は中古商品でしか入手できないようだ。2004年に放送された新作TVシリーズの劇伴と混同されないようにご注意を。
僕の手元にあるのは1985年に発売されたCDだが、現在は廃盤である。また、このCDも恐らく「ACT I 裏切りの大空」・「ACT II 狼たちの条件」の2作の劇伴LPを1枚に編集したものだと思うので、新田の曲が全て収録されているわけではないと思う。劇伴と歌が交互に並べられている。
劇伴はMISSION1から10までの10曲が収められている。やはりスペクトラムからの血脈、作風は変わっておらず、MISSION1も野太いブラスの響きが、暗雲たれこめる戦場の空と(※3、鋼鉄の翼で疾駆する戦士たちの重圧感を見事に表現している。
かと思えば、MISSON3では日本の民謡風の郷愁に満ちた旋律をフルートに歌わせている。風間の日本への郷愁を綴ったものだろうか。フルートに重なってくるブラスの響きも、邦画的なしっとりしたものだ。
その後の曲も聴きごたえがあるものが多い。因みに、劇中でどのように使用されていたかは僕も皆目、記憶がない。下記のHPに記載があるので、興味のある方はどうぞ。
FIRST SITE(※4

さて、MIOの歌は「Good-bye, Lonely Blue」の他にも、「悲しみのDESTINY」、「LONG AGO AND SO FAR AWAY」、「RAZOR’S EDGE」の3曲が収録されている。
「悲しみのDESTINY」は、「エリア88」の物語の核である、風間真と津雲涼子の絆、愛情を、本編さながらに大上段に構えて歌い上げている。正に「物語を伝えるための曲」だ。

歌詞GET 悲しみのDESTINY

以上、三浦徳子の作詞である。劇中の二人の体温まで伝わってくるようなやり取りがあってから、やはり涼子から真へ、ただひたすらに愛の光を放ち、「生きて私の下へ帰れ」と訴えかける。何の衒いもなく、照れることもなく、正攻法で愛を歌っている。
歌は、戦士に、愛する者に、何よりも先ず癒しを与えた。
癒しの後にはさあ、戦えと鼓舞する歌もあるだろう。だが、この歌は、次に生き抜くこと、愛を守り抜くことを選べと訴えている。
その決意の強さと優しさが相まって、恋人の涼子に、特別な役割を与える結果となっている。それは戦士を癒す聖母であろう。
新田はこの歌詞を受けて、まず静かなギターの独奏で始めた。
それが終わると、浮かび上がるようにMIOの歌が始まる。
その声は、やはり優しく、柔らかい。
「心は そばにいるから」「優しく 包んであげる」ここまで癒した後、合唱とともにMIOが「CLOSE YOUR EYES・・・」と歌い始めた時、その声からは俄然と神々しさが滲み出てくる。
MIOのかすれのある声質(ハスキーボイス)に合唱が加わった様は、ゴスペルソングを連想させる(米国のキリスト教音楽。20世紀前半に、黒人霊歌にブルース・ジャズなどの要素が加わって生まれたもの。YAHOO辞書より引用)。そのためか、MIOの歌声の向こうに聖母が佇み、光で照らしだしているような映像を感じることさえある。
新田もまた、三浦の歌詞の行間から聖母の姿を感じたのだろうか。(※5

僕は、歌が〆にはいる合図のように歌われる、「信じ合うことだけが 許されたDESTINY」の件が、最も心に残っている。MIOの祈りを捧げ、神に訴えかけるような歌声が、強く心に残るのだ。
この歌は、ただの恋歌ではない。癒しと救いを求め、剛速球で聴く者の胸に迫る作品だ。前回に触れた「Good-bye, Lonely Blue」とともに、「エリア88」の情景を見事に歌い切った佳品だ。
最後はやはり舞台を意識してか、中近東の民族音楽を彷彿とさせる旋律が歌を締めくくっている。(※6
「エリア88」サントラCD2

さて、残る2曲、「LONG AGO AND SO FAR AWAY」(※7、「RAZOR’S EDGE」(※8だが、いずれも歌詞は英語。作詞:リンダ・ヘンリック、作編曲:新田一郎の布陣となっている。

余談だが、調べてみたところ、リンダ・ヘンリックに関する略歴は皆無に等しい。日本のアニメ界も含めて、多くの作詞・訳詞の仕事をしているのだが、個人的な経歴が一切、出ていない。英語圏で検索すると、近影を含むHPがあったが、基本的に経歴はやはり出されていない。ソーシャルネットワークの一つであるLinked Inに女史が登録されており、加入すると女史の完全プロフィールが表示されるとあった。
リンダ・ヘンリック Linked In
けっこうな業績の割には基本的なことすらわからない。どうしてそこまで秘匿するのかは、その理由のとっかかりすら掴めない。恣意的に隠しているように思うが、なにもそこまでせんでもとも思う。
他にも何やら怪しげな情報のHPもあり、謎が謎を呼ぶ女史であるが、まあ詮索はこのくらいにしておこう。
因みに若かりし頃の写真が提示されているHPもあったので紹介しておく。
http://musicwn.com/browse.php?artist=Linda+Hennrick

リンダ・ヘンリックは他にも「超高速ガルビオン」の挿入歌「BE A HERO」や、渋すぎるところではもはや記憶する者はほとんどないのではないかと思われるようなオリジナルビデオアニメ「レリックアーマー レガシアム」の歌なども手掛けたりしている。
また、ほとんどギャグ番組だったSF人形劇「テラ・ホークス」の歌も、新田一郎とのコンビで担当しているから、侮れない。

なお彼女が関わった作品の一覧は色々あるが、あまり分野ごとに整理されたHPはなかった。
VGM db
米国発のHP? これをみると昔懐かしい「レンズマン」や80年代のオリジナルビデオアニメにも関わっていたらしい。
「作詞家・井筒日美公式サイト☆日美のプリズム・テアトル」から
完璧な目録ではないようだが、アニメ以外でのリンダ・ヘンリックの作品が把握できる。

脱線したが、彼女がMIOに寄せた「Long ago and so far away」について触れておこう。
歌詞については下記HPを観ていただきたい。
「Long ago and so far away」
ここではせっかくなので、廃盤となった「エリア88」サントラCDの解説書に収められた歌詞の訳を転載しておこう。この訳はMIOのパーフェクト・ベストに再録されていない。

夜がふけても頬に涙をためて眠れないことがある
目を閉じて子供の頃を思い出し
何度もうつろになる

いつまでも変わらない場所に戻りたい
幸せだったあの頃に
母の愛で私を包んでくれたあの頃に戻りたい

想い出は私を故郷に連れていく
想い出は私を孤独から守ってくれる

誰も私から想い出を奪うことは出来ない
想い出は私のすべて
だからそっとしておいて
誰も幸せだった想い出がどんなものかを知りもしない

孤独の中で育つ子供に神の恵みを!!
大人になっても故郷に戻れない人々に神の恵みを!!
目覚めれば想い出は 夢のようにほろ苦く そして消えていく


「そっとしておいて」と女性言葉になっているが、恐らくこれは戦場の風間真の心象風景だろう。新田は最初はしんみりと、しかし途中で決然とした音楽を与えている。MIOの語り口も絶妙だ。
もう1曲の「RAZOR’S EDGE」はけたたましい轟きに満ちたハードロック調の音楽になっている。
歌詞は以下のHPで。ここではやはり歌詞の訳を再録する。
「RAZOR’S EDGE」

ああ狂気の世界
同じチャンスは二度ない
一度だけのチャンスを生かすだけ

悪魔が手をのばす
好きでゲームはするものか
自分の命を賭けるんだ

こんな孤独のゲームお前には理解出来ない
運命なのさ
だけど男らしく向かって行くだけ

カミソリの刃の上の人生なんて
そんな簡単なもんじゃないさ
逃げ隠れする場所なんて何処にもない
足元を固めておかないと
プライドなんてどうでもいいことさ

空高く飛んだって
危機にはスリルがつきもの
ぐずぐずするな 殺られてしまう


曲のけたたましさに合わせて、MIOも他の歌とは別人のように絶叫し、騒音すれすれの響きの中で狂気を演出している。

今回はMIO以外のことも調べてかなりの道草になった。楽しめていただけただろうか?
次回はMIOのLP第一弾「スターライト・シャワー」について触れたい。

※1)またもや1979年。それだけのことなのだが、けっこう、特別な1年だったのだなあ。
※2)猪木、馬場、天龍、鶴田、そして三沢や四天王と名勝負を繰り広げた、日本マット界最大の功労者の一人。来日回数も非常に多いのだが、ほとんど日本に住んでいるのと変わらないくらいだった。まさか彼が吉本新喜劇に客演する日が来るとは思わなかった。現役の頃は、マジおっかない闘志が全身から溢れる、鬼親父そのものだった。

※3)砂漠に暗雲がありえるのか、寡聞にして知らないが・・・。
※4)過去に発売されたアニメ関連のサントラを紹介するHP。ほぼ全てを網羅しようとされている。ただし、未完成(未記入)の項目の方が遥かにまだ多い状態。しかし、その心意気やよし。時々、のぞいてみることにした。
※5)戦士を癒すという観点からは、「聖母たちのララバイ」に通底している。作詞:山川啓介、作曲:大森敏之・John Scott、歌唱:岩崎宏美の布陣だ。
聖母たちのララバイの歌詞
※6)昔、NHKで放送された向田邦子脚本「阿修羅のごとく」というTV作品をご存知だろうか? その主題曲は阿修羅像を背景にトルコの軍楽隊がかき鳴らす「'Ceddin Deden'(祖父も父も)」という曲で、勇ましいのに哀感が滲み出る不思議な響きとして、少年期の僕の記憶に残された。しかし、この曲に付された歌詞は実に勇ましく、異邦人の僕が曲から感じる印象とはかけ離れている。「悲しみのDESTINY」の〆を聴くと、ついこの曲を思い出してしまうのだ。
「'Ceddin Deden'(祖父も父も)」
※7)因みにJames Taylorに「Long ago and far away」という歌があり、ギター伴奏で静かに歌われている。かと思ったら、Chet Baker Quartetによるしみじみしたジャズ曲まであったりする。
※8)RAZOR’S EDGE カミソリの刃・・・という言葉も欧米語圏では慣用句的な意味あいがあるのだろうか? 短編の名手サマセット・モームにも同名の小説があり、映画化もされている。また、AC/DCというグループが同名のアルバムを発表している。
モームの小説を紹介した英語版ウィキペディア
AC/DCのアルバム

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