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琉神マブヤーと沖縄~政治的になってしまったブログ~

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「琉神マブヤー」は2008年に沖縄で製作され、地域限定で放送されたいわゆるご当地ヒーロー物だ。2010年の春にたまたまBS11で全国放送されたのを視聴して、至極、気に入ってしまった。
と、いうわけでこの作品と音楽を紹介したいのだが、折も折、今、沖縄は基地問題で激しく揺れている。基地問題とは沖縄と日本の関係を濃縮したものであり、これを無視して「マブヤーはいいぞ!!」ということもできない。なぜなら、この作品は肩ひじはらずに誠にすがすがしく描かれているものの、実は沖縄とは何かを問いかける物語だからだ。
「琉神マブヤー」は沖縄を見つめる物語だ。だから、基地問題を避けて「マブヤー」を語ることわけにはいかない。

僕は先の選挙で民主党に投票した。自民党のあまりの政治力の欠如にあきれかえって民主党を選んだわけだが、その民主党も自民党に劣るとも優らない駄目っぷりであった。
かつて最盛期の自民党は複数の派閥があって、その一つ一つが小政党に匹敵し、政治家人材を育成する機関としても機能していた。しかし、派閥が解体されるに従い、その残滓のような安倍、福田、麻生政権がことごとく自爆し、派閥政治は終焉を迎えた。
だが、民主党政治は個々が好き勝手に活動するだけの無定見政党であり、組織力の欠如は目を覆うばかりだ。
今回の沖縄の基地問題で判明したことは、単に鳩山首相に限らず、民主党という政党が基地問題について何の調査も政策検討も政治的工作もしていなかったということだ。ただ単に選挙で勝ちたいがためだけに、基地の県外・国外移転をぶち上げていただけで、実現力など全くなかったことがわかった。
鳩山首相の行き当たりばったりの政治家失格の対応は元より、裏ボスの小沢一郎にしてもこの問題からは逃げているだけで、恐らく何の解決策も提示できないと思われる。小沢は政権交代による権力掌握が「坂の上の雲」であって、権力者に求められる沖縄・基地問題の管理責任など考えてもいなかったに違いない。そして、他の民主党党員にしても党首である鳩山首相を援助する気配がなく、彼1人に責任を押し付けようとしている。
こういうのが最低の組織なのだ。解決すべき問題を一部の人間に押し付けて、他の人員は責任回避のためにだんまりを決め込む。そういう組織に投票した(せざるをえなかったという言い訳はすまい)己の愚かさを腹立たしく思うばかりだ。

基地問題を考えるということは、沖縄が日本にとって何なのかを改めて問うことだ。
僕自身、このブログでこんなことを問いかけることは本当はしたくない。だが、40代になった大人が、沖縄の物語を紹介する時にこの問いを無視するのは愚かもいいところだろう。事の本質を無視しているのと同じだからだ。
僕は保守的な人間だ。愛国という言葉も受け入れるようになった。その人間があえて問うが、沖縄とは日本にとって「何なのか?」。
「そりゃ日本でしょ。ナニ言ってんのさ」というあなた。確かに沖縄は日本の「領土」だ。天気予報を観れば、毎日、日本地図の一部にポツンと沖縄本島だけが切り取られた絵が映される。
だが、沖縄が他の都府県と決定的に違っている要素があるだろう。距離の問題だ。孤立の問題だ。日本全国で他府県と車や鉄道で結ばれていない県といえば沖縄しかない。それは鹿児島からさえも遥かに遠い。休日に気軽に他府県へドライブなんてことすらもできない。独自に生きていかねばならない存在なのだ。
同時に地図をみれば、沖縄がいかに「本土」から遠いかがわかる。そして、少し考えれば、この「遠さ」が日本にとってどれだけ重要かもわかる。というか、わかってほしい。
沖縄は東京よりも遥かに台湾に近く、中国に近い。この政治的に微妙な場所に沖縄がある。また、沖縄が「本土」から遠いということは、日本の領土を広げるのにどれだけ貢献しているか、それが日本にとってどれだけ重要かもわからなければならない。
僕が初めて沖縄を訪れたのは平成20年の夏で、それは気楽な観光であったが、訪れて初めて「沖縄は違う」ということを実感した。何と違うのか、「本土」とだ。もっとはっきり言おう。「沖縄は“日本”とは違う」のだと感じた。
「本土=日本」を遠く離れ、陸路でただ一つ他の都道府県と行き来できない唯一の「日本」それが何を意味するのか。そこに在日米軍の大半が寄留しているという事実。全国で最低の平均所得であり、基地と観光以外に産業のない―島。
今の沖縄を端的に言えば、これは、日本であって日本でない、沖縄島という植民地ではないのか。
当然のことだが、沖縄という「領土」は無人島ではない。多数の「国民」が生活の場としている。その「国民」は我々と同じ国民として遇されているのか?
鳩山の無能ぶりと民主党員の無責任さは、僕が、大半の日本人が、意識しようとしていなかった冷徹な事実を露わにしてしまったと思う。そして、その事実を「うちなんちゅう」にも露骨にみせてしまったと思う。
そもそも中国―台湾関係があり、日本―中国関係がある。そこに沖縄のあの立地があり、そこに在日米軍がいる。それなりの政治頭があれば、そこから米軍を移動させるために検討すべき事項のことごとくが、日本の外交、民族、安全保障の要に関わってくることが理解できるはずだ。
沖縄から在日米軍をなくそうと本気で考えていたなら、今回のような行き当たりばったりの行動は取れなかったはずだ。あるいは沖縄に負担を強いるならば、その不満を緩和する対策を考えたはずだ。
しかし、鳩山だけではない、民主党党員全員が何も考えていなかった。鳩山を無能というが、党として鳩山を補佐し、導けなかったのなら、民主党党員全員が共犯者だ。彼らはただ、単に政権交代さえできればよいと考えていたにすぎないということが暴露された。
今回の迷走は、沖縄と日本の間に断絶を生んだだろう。保守的なマスコミは「基地問題で騒いでいるのは決して沖縄の総意ではない」とするものもあるが、それは「自分の見たくないものは見ない」という人間の愚かさの表れだと思う。実は大量出血で死にかけているのに、鼻血程度の少量出血だと思いこもうとしているだけだと思う。
僕が沖縄人なら、「日本人」たちは沖縄のために何にもしてくれないと思うだろう。
普通、同じ国民なら「本土」なんて言葉は出てこない。「うちなんちゅう」と「やまとんちゅう」という区別だって、相当に根深いものがある。そうした元々あった溝が深くなってしまった。チビチリガマを覗いた時の絶望的底なし感を思い出す。
保守的な人間こそ、この事態を憂えるべきだ。沖縄が「日本」に対する信頼を失うことは国益に凄まじく反するはずだ。沖縄が植民地ではなく、本当に日本の一員と自他ともに認めるための対策を実行しないといけない段階にきている。
米軍が残るならば、地位協定の改善が必要だろう。将来的に米軍に退去を求めるなら、日本独自の「軍備」をどうするのか。その時に反発必至である中国とどう渡り合うのか。基地が去るなら去るで、これまで米軍に依存せざるをえない沖縄経済にどのような基幹産業を育成するのか。
これらを「日本」が真剣に具体的に考えない限り、沖縄は自分たちは日本の正規の一員ではなく、「日本の植民地」に過ぎないという意識を捨てないだろう。急速に事態が変転する21世紀において、そのような意識がどれほど早く災いをもたらすことになるのか。それがわからない人間が政権を担っているのなら、下りてもらうしかないだろう。


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